個人診療所での生命保険を活用した所得税の軽減策は限られていますが、生命保険(例:死亡保険)、介護医療保険(例:医療保険・がん保険・介護保険など)、個人年金保険に加入することによる生命保険料控除の活用が考えられます。その他、小規模企業共済やiDeCo、国民年金基金などによる所得控除を受けることも考えられます。
医療法人成り後の税効果を考える場合、所得税率と法人税率を単純に比較するだけでは片手落ちといえます。
「毎年の所得に対する適用税率が個人の場合で最高約56%(所得税・住民税・復興特別所得税)、法人の場合が約30%なので法人の方が有利」と単純に個人と法人の税率の比較をするのではなく、院長(理事長)の退職時に課税される退職金に対する所得税も合わせると法人成り後であっても法人と個人の課税をトータルすると最大で50%近い課税となり、法人成りしたメリットがあまりないことになってしまいます。
役員報酬と損金性のある保険のバランスを考えて、法人成り後のトータルの税負担を軽減する対策が必要になります。
※例えば医療法人成りの際に初年度に租税特別措置法67条の概算経費を使った場合、次年度以降は上記の対策を考える必要があります。
持分なし医療法人であれば出資持分がないため、法人の承継に相続税は課税されません。
ただし、例えば理事長から医療法人へ事業用不動産を賃貸している場合や、その他の個人財産が蓄積されている場合は相続税の納税対策が必要になってきます。
理事長の推定相続財産を洗い出し、推定相続税額を算出する。その相続税については生命保険金で賄うように設計することにより、万が一相続人が遺産分割で争った場合や、不動産や換金性の低い財産が多い場合であっても、相続税の納税は保険金できちんと納税できる状況としておく。
理事長が高齢で通常の保険に加入することが難しい場合は、無告知の一時払終身保険等の活用を検討する。
理事長個人が生命保険に加入してから相当の年月が経過している場合は、もう一度生命保険の加入状況をチェックする。
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